
第1回オンラインセミナーを開催しました
入江 直樹 博士 (総合研究大学院大学・教授)にご講演いただきました。
■日時:11月5日(水)15:00〜
タイトル:動物発生過程と情報科学からみた進化可能性とその課題
要旨:
人間が阿修羅のような姿に進化しうる可能性はどのくらいあるのか?このような表現型の進化可能性に関する謎は、未来の生物の姿の予測にも役立ちうる興味深い問題だが、定量的理解と背景メカニズムはあまり進んでいない。歴史的には古生物学的知見が援用され大いに役立ってきたが、情報科学的知見からは現生生物の知見も踏まえることの重要性がみえてきた。とは言え、現生生物を対象とした進化可能性研究も同じく限界がある。例えば、動物では表現型バリエーションの生まれやすさを通して進化可能性を評価する研究は行われてきたが、限られた形質に限定されていて個体全体での進化可能性まではまだみえない状況にある。また、異なる形質の進化可能性に共通する背景メカニズムについても十分にわかっていない。いくつか候補メカニズムは出ているものの、長期スケールでの進化可能性として使えるかどうかはさらなる研究が必要だ。本発表では、動物発生過程と情報科学からみた進化可能性について、みえてきた知見や課題を踏まえ、広く議論する場としたい。
