水内 良 博士 （早稲田大学・准教授）にご講演いただきます。

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■日時：2025年 12月 26日（金）15:00〜
 
タイトル：分子から生命への進化を目撃できるか？

要旨：
　約40億年前、生命はどのように誕生したのだろうか？生命はRNAやタンパク質などの単純な分子の自己複製システムから進化したと考えられているが、その直接的な証拠はない。分子時代の進化過程は地質学的証拠として残っておらず、現存生命の系統解析で遡ることもできない。そこで私たちは、自己複製する分子システムを人工的に構築し、それらを実験的に進化させることで、分子から生命へ至る進化の道筋を直接的に明らかにしようとしている。例えば、ある進化実験では単一の自己複製RNAが多様化し、複雑な複製ネットワークの形成を通して、情報の拡張が観察された。また別の実験では、異なる情報をもつRNA同士が融合することで、多機能なRNAが出現した。このように、生命誕生にはまだ程遠いものの、単純な分子が複雑性を獲得していく過程が明らかになりつつある。本講演では、こうした「分子から生命への進化を目撃する」試みについて、最新の成果と今後の展望を交えて議論したい。